元公立中学校の社会科教員が入試の「過去問を解いてみた」シリーズ。
続くのでしょうか!?
一発目は大阪の上宮高校です。
過去問は無料で公開されていています。
実際に私自身が問題を解く頭のなかを言語化したものです。
あ、こんなところに気をつけて解いているんだ。
こんな風に考えると正解できるな。
と感じてもらえれば嬉しいです。
ぜひ解答する時は可能であればプリントアウトして、解答用紙に解答してみましょう。
上宮高等学校の偏差値
56~65
コースによって幅広いですね。
上宮高等学校の無料過去問
今回は2022年度の社会科を解答しました。
2018~2022年までの過去問、5教科すべてを無料で利用することができます。
上宮高等学校の社会科の過去問の特徴
大問1が地理、大問2が歴史、大問3が公民。
各大問に3個ずつ、漢字やカタカナの文字指定で語句の記述問題があり、それ以外は選択肢でした。
文章記述の問題はありませんでした。
ただ私学らしく、深く突っ込んだ問題があり、総合的にやや難しい印象。
解説
大問1
問4
ア:「やませ」は日本海側ではなく、太平洋側に6~8月に吹く冷たい風です。
問6(1)
政令指定都市は人口50万人以上の都市で、ウとエで迷い私も間違えました。
ただ2択まで減らせることで、正解率は50%になるので可能な限り選択肢を絞ってください。
問7(2)
1990年になかったエがインターネット。
2020年にはインターネットに負けていますが、それまで大きな市場だったアがテレビ。
もともと市場規模が小さかったウがラジオ。
新聞のイは、1990年はテレビに迫る勢いでしたが、年を経るごとに少なくなっています。
問9(2)
雨温図は見方を覚えれば、必ず解けます。
まず私が注目したのが棒グラフで示されている降水量です。
太平洋側は夏に降水量が多くなるので、Fが釧路。
DとEですが、今度は折れ線グラフの気温をみて、寒さがきついEが旭川と判断しました。
問10と問11は捨て問でいいです。
入試に限らず、テストで満点を取る必要はありません。
しっかりと捨て問を見極めて、できる問題を正解していきたいです。
問13(2)
銅鉱を見た瞬間にチリはエです。
アンチョビー(いわし)もよく穫れますし、チリ産のワインも増えてきました。
ちなみに、アはアメリカ。
イは、衣類からインドネシア。ユニクロはインドネシアやベトナムにたくさん工場を持っています。
ウは、液化天然ガスや石炭、原油などの地下資源が豊富なロシアです。
問15
難しいですね。
まず海上に注目しました。
アとウの県に数値がないことから海に面していない内陸の県だと判断しました。
長崎県は海に面し、離島も多いことからイ。
航空がイを上回るエが北海道です。
アとウを消せた時点で、正解率は50%です。
大問2
問2
イはハムラビ法典、メソポタミア文明です。
問3
捨て問でいいと思います。
問7
アかイで迷いたいところ。
教科書や資料集で東大寺大仏を見ている方は、選べたのではないでしょうか。
問8(1)
天下三不如意とは難しいですが、院政を行っている上皇でさえ思うとおりにならないことが3つあるといわれています。
賀茂川の水、山法師、双六の賽です。
大雨が降ると賀茂川は氾濫し、双六の賽であるサイコロの目はコントロールできません。
山法師は、比叡山延暦寺の僧兵です。
問9
年代順に並び替える問題のコツを伝授します。
コツは可能な範囲で出来事を組み合わせてブロックを作りましょう。
例えば、この問題では保元の乱→平治の乱→平家が勝利して、平清盛が太政大臣になる。
「Ⅳ → Ⅰ → Ⅱ」というブロックを作りました。
中尊寺を建立した年号は難しいですが、この順に並んでいる選択肢はエだけです。
問11
ア:織田信長は征夷大将軍にはなっていません。
イ:関所を廃止することで、自由な商工業の発展を図りました。
エ:清ではなく、明です。
問12
はい、並び替え問題です。
松平定信は徳川吉宗の孫です。
祖父の享保の改革をお手本に寛政の改革を行いました。
大塩平八郎は江戸後期に活躍しました。
なので、「Ⅲ → Ⅱ → Ⅳ」というブロックができます。
この組み合わせの選択肢はイしかないのですが、新井白石は大塩平八郎より後にはこないので、イで決定です。
問14(2)
ア:農地改革は、自分で耕す土地を持つ「自作農」を増やすことが目的でした。
小作農は、自らの土地を持たない農民です。
問15
下線部⑮1956年といえば、日ソ共同宣言からの国際連合加盟です。
1956年(そろそろ行く頃国連へ)語呂合わせ
大問3
問4(2)
公務員は労働基本権の一部またはすべてが認められていません。
この問題はよく見かけるので、理由も含めて押さえておいてください。
労働基本権(労働三法)には、「団結権」「団体交渉権」「団体行動権」があります。
従業員が待遇改善を求めて、組合を作って企業と交渉したりします。
最後の団体行動権は、ストライキをする権利です。
「会社がいうことを聞いてくれないなら、俺たちは働かないぞ」
でも警察や消防の人たちがストライキを起こしたらどうなりますか?
だからすべての公務員は団体行動権が認められず、警察や消防などの一部の公務員は団結権や団体交渉権すら認められていないのです。
問8
(1)
捨て問でかまいませんが、おもしろそうな問題ですね。
私は「1円硬貨」という小銭と「1989年」という年号から消費税を思いつきました。
消費税は1989年から3%で導入されました。
キャッシュレス決済なんてない時代ですし、小銭は必要ですよね。
1997年に5%、2014年に8%、2019年から10%になりました。
(2)
エ:現金支払いであろうがキャッシュレス決済であろうが、販売記録を入手しても、どのようなところにいくら使われているかは一緒です。
問9
社会保障費は、年金や医療費、福祉に使用されます。
キーワードは、「少子高齢化」です。
定年を迎えた方に支給される年金、病院にかかるのはお年寄りの方が多いですよね。
子どもが少なく、高齢者が増え続けているので、社会保障費は年々増加しています。
まとめ
私学らしく学校のテストでは問われなかった深く突っ込んだ問題が出題されていました。
繰り返しますが、満点を取る必要はありません。
赤本に書いてある合格最低点を目指しましょう!
そのためには「捨て問」を見極める必要があります。
4択なら1/4の確率です。
一つでも確実に選択肢が消せるのであれば、正解率は1/3に上がります。
自分の持っている知識を最低限使って、選択肢を絞りましょう。
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