元教員が過去問解いてみたシリーズ第4弾!
大阪府の公立高校一般選抜の過去問を解いてみました。
上宮高校、関西大倉高校、東京都立高校と過去問を解いてきたなかで、一番簡単でした。
ただ顕著に特徴があり、資料の読み取り問題と説明記述問題が必ず出ます。
ここをいかに攻略するかが鍵になります。
いつも通り、どのように考えて解いたかを言葉にしました。
また、大阪府の特徴である資料の読み取り問題と説明記述問題の対策についても解説しました。
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令和4年度の国語・数学・英語のA~C問題と理科・社会・小論文の問題が掲載されています。
大阪府の公立高校の社会科の過去問の特徴
大問1が地理、大問2が地歴公の混合問題、大問3が公民、大問4が歴史でした。
全体的に大問3の公民が難しく、時間がかかりました。
各大問で語句記述の問題が2~4問、説明記述式の問題が1~2問出題されていました。
大阪府に限らず、これからは「思考・判断・表現」の観点から、資料を読み取る問題と説明記述の問題が必ず出題されます。
資料の読み取り問題と説明記述問題の対策
資料の読み取り問題の対策
問題文は長く難しいように思えますが、落ち着いて資料を見ると必ず解けます。
下手に難しい選択肢問題より、簡単なことも多いので諦めないでください。
説明記述問題の対策
問題で「何が」問われているかを押さえることです。
大問1(5)で具体的に解説しました。
逆一問一答をしよう。
例)守護地頭を説明してみてください。
1185年に源頼朝によって、治安維持を名目に国ごとに守護、荘園や公領ごとに地頭が置かれました。
一問一答式問題集の答えを見て、語句を説明してみましょう。
答えは問題文です。
解説
大問1 地理
(3)
①
ア:ヨーロッパ連合
イ:アジア太平洋経済協力(会議)
エ:南米南部共同市場
②
タイは米の産地として有名です。
過去に日本で米不足になった時はタイから米を輸入したことがあります。
Xが米になる選択肢はアとイ。
これで正解率50%です。
(5)資料の読み取り問題です。
②
問題文に線を引いてください。
1~2行目。
~図Ⅱ、図Ⅲから読み取れることをふまえた製鉄所の立地とその理由について~
まず「何が」問われていることを押さえましょう!
「製鉄所の立地」と「理由」です。
まず「立地」は臨海部、海に面した地域で大丈夫です。
「理由」は、石炭や鉄鉱石を船で輸入する場合、海に近い方がいいですよね。
(6)
①捨て問でかまいません。
②文中にある「産業の空洞化」とは、製品の価格をより安くしようとして、人件費の安い中国や東南アジアの国へ工場を移したのです。
大問2 混合問題
(1)
②
どのように考えましたか。
私はまず、「漁業」に注目しました。
Bは唯一「漁業」」が0なので、内陸県である山梨県。
次に「果実」を見ました。
山梨県はなしやぶどう、静岡県ではみかんが有名です。
Cが静岡県。
「漁業」もCが高いのでは、マグロの水揚げ量日本一の焼津漁港があるからです。
(2)
ア:安土桃山時代
イ:鎌倉時代
ウ:平安時代
エ:奈良時代
(3)
イ:明治時代
ウ:安土桃山時代
エ:室町時代
(4)資料の読み取り問題です。
③
「火山灰」というキーワードが欲しいです。
問題にはされていませんが、「ハザードマップ」という単語も押さえておいてください。
大問3 公民
(3)
②エ:会社の負債を返済する責任はありません。
③
預金の金利 < 貸し出しの金利
銀行の仕事は、預かったお金を企業などに貸して儲けています。
例えば、100万円を1年間銀行に預けた利子(金利)を3%とします。
銀行は預かった100万円を企業に1年間5%の利子(金利)で貸し出します。
1年後、銀行は企業から105万円を返してもらい、預金者に103万円を返します。
必ず「貸し出し金利」の方を高くしないと銀行は儲からないのです。
(4)またまた資料の読み取り問題です。
落ち着いて解答すれば必ず解けます。
②
問題文中のGさんの発言に注目してください。
~労働者の有償労働時間を減らしても収入が維持することが求められる~
つまり、働く時間を減らしても入ってくるお金を減らさないようにということです。
ア:法人税を増加させても、労働者に還元されなければ意味がありません。
イ:年金は基本的には、退職後の老人に配布されます。
エ:非正規雇用労働者を増やすと、余計に雇用が安定しません。
大問4 歴史
(1)
①
奈良にあるウとエで迷いたいです。
そこまで絞れれば十分な問題です。
③
ア:室町時代
イ:奈良時代
ウ:古墳時代
エ:鎌倉時代
(2)
[a]
守護と地頭と迷った人は多いのではないでしょうか。
守護は国ごと(現在の都道府県)、地頭は荘園や公領ごとに置かれました。
(4)
①
一番、石高が多いのが大名領なので、次に多いのが幕府領。
②
[b]
ア:江戸時代(大政奉還後でほぼ明治時代)
イ:大正時代
ウ:江戸時代
エ:江戸時代(鎖国あたりで江戸前半)
(5)
地租改正で、地価の3%を現金でおさめることになりました。
奈良時代の租庸調の税制で「租」は収穫高の3%を現物でおさめます。
(6)
戦後の農地改革では、自分で土地を持つ「自作農」を増やそうとしました。
そのために政府は、地主から土地を買い上げて、土地を持たない小作人に売り渡しました。
まとめ
意外と解けたのではないでしょうか。
ライバルも同様に感じています。
ではどこでライバルと差をつけるか。
やはり、資料の読み取り問題と説明記述問題です。
説明記述問題は国語力ともいえます。
つまり、「何が」問われているかをはっきりさせることがポイントです。
あとは聞かれたことに簡潔に答えるだけ。
「何が」がわかると、おのずとキーワードもわかります。
社会科は最後の最後まで追い込みがきく教科です。
入試本番も直前まで、愛用している参考書かまとめノート、プリントを見てくださいね。
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