なんとか2回目が出せた「元教員が過去問解いてみた」シリーズ!
今回も大阪にある関西大倉高校の過去問に挑戦しました。
語句記述の問題が多く、難しい印象を持ちました。
ただ難しい印象を持ちましたが、問題自体は勉強していれば解ける問題です。
今回も入試問題を解いている教員の頭の中を言葉にしてみました。
どのように考えて正解率を高めているのかを参考にしてほしいです。
入試は正攻法ではなく、選択肢を絞ったりしてうまく正解率を上げていくことが大切です。
前回の上宮高校と共通していたことが2点ありました。
- 公民の社会保障の4つの柱
- 地理の世界遺産
上記2点をテスト前に見ておくだけで、意外とライバルと差をつけられるかも!
関西大倉高校の偏差値
61~73
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関西大倉高校の社会科の過去問の特徴
大問1が公民、大問2が歴史、大問3が地理でした。
漢字指定などの語句記述問題が公民で9問、歴史で14問、地理で9問と前回の上宮高校と比べて多かったです。
「下線部について解答せよ」という形で、下線部の語句は教科書であまり見かけない難しい語句が登場します。
しかし、解答する問題自体はそこまで難しくありません。
全体的な印象は高い偏差値通り、やや難しいですが、持っている知識をうまく活用して合格最低点を取りましょう。
解説
【1】公民
問1
ア:厚生年金は会社員が対象で、自営業者は国民年金です。
問2
不景気の時は、世の中にお金が少ないのでお金を増やすように動きます。
公共事業は、道路工事などです。
仕事を作れば、働く人が必要になり雇用を生みます。
仕事で給料をもらった人は、買い物をしてまた世の中にお金が回る仕組みです。
世界恐慌の時、アメリカはニューディール政策を行い、ダムなどを建設しました。
これがまさに公共事業です。
銀行の銀行である日本銀行でも、どのようにすれば世の中のお金が増えるか考えてみましょう。
銀行から国債を買えば、お金は一般銀行へと流れます。
また一般の銀行は、貸出金利が(高いor低い方)がお金が借りやすくなると思いますか。
貸出金利は手数料だと考えましょう!
問3
エ:ストライキは団体行動権です。
問5
エ:執行猶予ではなく、示談です。
問9
難問ですね。
Cの所得の再分配とⅢの累進課税制度がすぐに結びつきました。
累進課税制度とは、所得が多い人ほど税金が高くなる制度です。
お金持ちとそうでない人の差を小さくしようとしています。
そのために、お金持ちから取った税金をうまく配分しているのです。
CがⅢになるのは、アとイの2つです。
ここまで絞れるだけで十分です。
問11
社会保障制度は、上宮高校でも出題されていました。
社会保険、公的扶助、社会福祉、公衆衛生の4つの柱の内容は確認しておいて損はありません。
社会保険の医療保険は病気などになったとき、年金保険は高齢などになったときに、あらかじめ支払っておいた保険料を財源として給付されるものです。
公的扶助とは、生活保護法に基づいて困窮者を社会で助け支えることです。
社会福祉は、社会的に保護や援助を必要とする者に対し、各種の福祉法に基づいて施設を整えたりサービスを提供したりします。
公衆衛生は、地方自治体の保健所や保健センターなどが中心になって行います。
感染症対策としてイメージしやすいのは乳幼児期の予防接種です。
問13
捨て問。
元教員の私からしても問い方がわかりづらい気がします。
大問2歴史
問7
ア:聖武天皇
イ:文武天皇
エ:桓武天皇
問8
難しいですね。
アとエが消せれば1/2の確立ですね。
ア:北条泰時
ウ:北条貞時
エ:北条時宗
問9
一発でわかればいいですが、難しければ確実に選択肢を消しましょう。
ウ:1392年(いざ国集まる南北朝合一)
エ:1467年(人の世むなし応仁の乱)
これでまた1/2の確立になります。
問12
徳川吉宗の行ったことを選びます。
ア:徳川家光
イ:上米の制
ウ:水野忠邦
エ:水野忠邦
問13
(5)
五稜郭は書けなくてかまいません。
問17
面白い問題。
家康、秀忠、家光、…、4代家綱が出てきませんでした。
ただ5代は生類憐れみの令を出した綱吉。
高校入試で問われるなら綱吉かなと思いました。
大問3地理
問1
北緯40度の緯線は押さえておいて損はないですよ。
問5
模範解答が「エ」になっていました。
模範解答が間違っていると思います。
雨温図の見分け方は大切ですよ!
まずアに注目しました。
年中高温で、かつ雨もたくさん降るので熱帯雨林気候。
赤道直下のシンガポールです。
次にイ。
ほとんど雨が降らない砂漠気候。
エジプトのカイロですね。
ウトエの違いは、気温の折れ線グラフが、V字と逆V字です。
この違いはなんでしょう?
7~8月に気温が低いということは、季節が逆。
つまり南半球です。
ウがアルゼンチンのブエノスアイレス。
エがフランスのパリになります。
問7
中南米の公用語について、高校入試で問われる範囲ではブラジルがポルトガル語、残りはスペイン語で覚えて大丈夫です。
問8
まず時差を計算してみましょう。
5時間の時差です。
経度15度で1時間の時差なので、
15×5=75度。
イギリスは経度0度。
南米ペルーは一見、地図上東に見えますが、上の地図で再確認してください。
西経75度になります。
問13
ウ:銅といえばチリです。
まとめ
公民で社会保障の4つの柱が問われていました。
これは前回解いた上宮高校でも出題されていました。
中学生にとって社会保障など公民は、なかなか身近なことではないので難しく感じると思います。
とりあえず入試のために丸暗記のつもりで押さえておいて損はないです。
あと地理では、世界遺産にからめて出題されていました。
世界遺産自体は出題されていませんでしたが、世界遺産は押さえておいてください。
地理の教科書の最初か最後のページに、「世界遺産一覧」が載っています。
語句記述の問題が多かった分、上宮高校よりは難しく感じました。
ただ繰り返しますが、入試で満点は必要ありません。
しっかりと「捨て問」を見極めて、自分の知識を最大限に利用して正解率を上げましょう。
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