不登校になれば、子どもや家族にとって心労はとても大きいものになります。
毎日が出口のない迷路のような状態で手探りの日々。
どこに相談してもたらい回しにされたようなご経験はありませんか。
中学生の不登校は、学業や人間関係の困難、精神的な問題など、さまざまな要因によって引き起こされます。
不登校になりやすい家庭の特徴を理解し、適切に対応することは、子どもの将来を見据えた重要な課題です。
この記事では、元教員として経験した知見をもとに、不登校になりやすい家庭の特徴から対策までを解説します。
不登校の背後にある問題を正しく理解し、親がどのように接して支援すれば良いのかについて一緒に考えていきます。
適切なコミュニケーションの取り方や「居場所」の整え方、心のケアや専門家の支援を活用する方法など、具体的かつ実践的に解説します。
現在では、家庭学習が「出席扱い」されたり、内申書の評価対象になるオンライン学習ツールも出てきています。
さまざまなサポートやツールをうまく活用して不登校を解決するのではなく、まずは出口を探しましょう!
不登校中学生一日のスケジュール
不登校だけど家では元気
「不登校生でも朝のルーティンを整えることが大切です。」
安心してください!そんなきれい事は言いません。
ネットを調べてもChatGPTに聞いても同様の答えが返ってきます。
「学校へ行かなくても同じ時間に起きましょう。」
「生活リズムを整えましょう。」
学校へ行っていても、夏休み前に集会で言われます。
元教員だった私でさえ「耳にタコ」ができました。
それで不登校が解決すれば苦労は必要ないですよね。
理想は学校と同じ生活習慣ですが、実際は昼夜逆転している場合もあります。
「夜から活動できる元気があれば、朝から登校できるのでは」というのが親御さんの本音でしょう。
不登校とうつ病は似ている
うつ病も不登校と同様に気力が出ず、昼夜逆転することが多いです。
実は私自身がうつ病経験者です。
午前中は元気が出ないけど、夕方から出てくることがあります。
なんだか不登校によく似ていますね。
そんな私が療養中に読み、考え方が楽になった本を紹介します。
『「うつ」の効用 生まれ直しの哲学』という本に、「昼夜逆転にも意味がある」と書かれていて衝撃を受けました。
当事者は、みんなは学校へ行っている、仕事をしている中で罪悪感に陥り、自責の念に駆られています。
そこで、みんなが活動している時はあえて情報をシャットダウンし、静かになった夜に活動を始めるのが昼夜逆転だと。
さらに昼夜逆転はずっと続くものではないと書かれていました。
『反教育論 猿の思考から超猿の思考へ』を始め、精神科医である泉谷閑示氏の著書は、不登校で悩む親御さんへおすすめです。
不登校になりやすい家庭では、親が「~べきだ」というように思考に柔軟性がない場合が多いです。
泉谷閑示氏は、現在の常識とされているものを改めて問い直し、提案してくれます。
「あ、こんな考え方もあるんだ」と親御さん自体が思えると、マインドブロックが外れ、楽になるかもしれませんよ。
不登校になりやすい家庭の特徴
- コミュニケーションが欠如している
- ストレスフルな環境
- 不安やうつ病の存在
- 学校への不信感
コミュニケーションが欠如している
家族間のコミュニケーションが不足していると、子供が自身の感情や問題を適切に表現できず、不登校につながる場合があります。
子どもの居場所が家庭にない状態です。
コミュニケーションができているようで、できていない場合があります。
「~べき」思考も含めて、親からの一方通行の愛やコミュニケーションをしている場合です。
「~してあげた」「~を買ってあげた」ではなく、そこに子どもの笑顔はありますか。
ストレスフルな環境
家庭内の問題、経済的な困難、親の離婚や喧嘩などが原因となる場合があります。
子どもはとてもセンシティブな生き物です。
子ども自体に原因はなくても、親の不仲に無意識に反応しています。
不安やうつ病の存在
家庭内に不安やうつ病のある家族がいる場合、子どもにも影響を与え、不登校のリスクが高まることがあります。
また子どもの発達障害が原因で、二次障害としてうつ状態になることがあります。
学校への不信感
学校でのいじめや教師との関係の悪化など、学校環境に不信感を抱く場合、子供は学校に行くことを嫌がるようになることがあります。
不登校中学生の家での過ごし方の例~知恵袋より~
Yahoo!知恵袋より、ある不登校生が書いた1日の過ごし方や考えを紹介します。
ヒントが詰まっているので一緒に考えましょう!
不登校経験者です。
学校に行っている人からすれば、学校に来ていない人は家でゴロゴロしたり、好きな事したり自由でいいなーって思ってる人が多いかもしれません。
実際、私も家でゴロゴロしたり、ゲームしたり、好きな時に好きな事をしていました。
ですが、自由すぎるのは学校行くよりも嫌で、暇すぎるんですよね(笑)
勉強についていけててもついていけていなくてもやる気があるときは1問でも問題解いたり調べたりしてましたね。
不登校の人はね、勉強が嫌だ!とか、めんどくさいから行かない!って人もいるんです。
周りから見たらそんなのみんなだって同じ!って、思うかもしれない。甘えてる!って、思うかもしれない。だけどね、不登校の本人はみんなよりも酷いの。めんどくさいからとか、みんなも同じって事は本人もわかってる。けど、ね。言い表すには「めんどくさい」なんだけど、実際は「学校・勉強・友達・先生・教室」とか、小さな事で縛られてる。まとめられてるのが嫌だ!って心の中では思ってて、苦しんだ。
学校に行ってない間、羽を伸ばしてちょっと長い休憩中。その休憩中の中で、学校行かないとな!頑張らないとな!ってちょっとずつちょっとずつ成長して、学校行けるように頑張ろうとしてるの。
この気持ちが、不登校のみんなと同じかどうかは私にはわからない。他にも、人に言えない理由があるのかもしれないし。
まぁ、簡単にまとめるとね、みんなが思ってるみたいに自由にゴロゴロしまくってるんじゃなくて、成長中なの。
学校行かなきゃいけない。勉強しなきゃいけない。人生 とか、小さい事から大きい事までを考えて、勉強中なの。でも、その勉強は学校の勉強より難しい。しかも誰も教えてくれないし、ヒントもない。自分で考えるしかないの。
頑張って頑張って成長して、人生って言う大きい大きい学校の勉強よりもっともっともーーーっっっと難しい勉強中。
ゴロゴロしてる時は、学校の土曜日、日曜日、みたいな感じかな。
長くなったし文章力ないからわかりにくいかもしれないけど、不登校の人もずーーっとゴロゴロしてるわけじゃないって事だけはわかってあげてください。
私の体験談なんだけどね(笑)
みんなに当てはまるわけじゃないから、そこは把握してね。
「自由すぎるのは学校行くよりも嫌で、暇すぎる」というところがポイント!
うらやましいと思えるかもしれませんが、自由過ぎることは返って苦痛なのです。
これに共感する不登校生は多いのではないでしょうか。
「成長中」とまとめたように、当事者は「学校行かなきゃいけない」「勉強しなきゃいけない」と内心では思っています。
ところが実際に行動できないという葛藤が心のなかで渦巻いています。
まずは子どもの心の葛藤を親御さんが受け止めることがスタートになります。
不登校の中学生はフリースクールに行った方がいい!?
以上を踏まえてより良い不登校の過ごし方について解説します。
より良い不登校の過ごし方(笑)
学校に行くことが絶対ではありません。
フリースクールに行った方がいいのかしら!?
フリースクールも含めて、より良い過ごし方を考えましょう。
- 学習時間の確保と自己学習
- 社会的なつながりと交流
- 趣味や創造的な活動
- 心身のケアと運動
学習時間の確保と自己学習
学校の代わりに自宅で学ぶ不登校生にとって、学習時間を確保することが重要です。
自己学習に適したオンライン学習ツールや参考書を活用し、自主的に学習を進めます。
不登校は「勉強が嫌い」なのではありません。
老若男女を問わず知的好奇心はあります。
大人でもYouTubeで歴史や雑学の動画を見たりしますよね。
不登校生の方が知的好奇心が強いかもしれません。
現在では、家庭学習が「出席扱い」されたり、内申書の評価対象になるオンライン学習ツールも出てきています。
自宅で勉強したことが「出席扱い」されたり、内申書の評価対象になれば嬉しいですよね!
社会的なつながりと交流
インターネットを通じた交流や情報共有によって、学びやモチベーションの向上が期待できます。
携帯を持っている中学生であれば、Twitterなどで同じような境遇の仲間とつながっているかもしれません。
現在では、この記事のようにさまざまな情報がインターネット上にあふれています。
お子さまの方から、「~をしてみたい」「~へ行ってみたい」と声があれば全力でサポートしてあげてください。
フリースクールは難しくても、家庭に「居場所」があれば大丈夫です。
「居場所」は子どもが何でも自由に話して相談できる環境です。
趣味や創造的な活動
不登校生の時間を有効に活用するために、趣味や創造的な活動に時間を割くこともおすすめです。
自己表現や創造力の向上に加え、心のリフレッシュやストレス解消にもつながります。
「なーんだ、またゲームか」とバカにしないでください。
何かに没頭できる時間は「居場所」といえます。
「学校に行かないのにゲームばかりして」と没頭できるものを取り上げると最悪の結果をもたらします。
ゲームやYouTubeは一時的な避難場所であり、内心では「学校へ行かなくては」と葛藤しているのです。
不登校を機に親子で何か新しいものにチャレンジしてみてもいいでしょう!
心身のケアと運動
適度な運動や散歩も取り入れることで、健康状態を維持し、気分の安定につながります。
ずっと家にいると、どんなに健康な人でも気が滅入ります。
夜に散歩でもいいですし、自然と触れることは五感の発達にも良いのでおすすめです。
生き辛いと訴える場合は、スクールカウンセラーや病院を受診してください。
発達障害の発見など、子どもを改めて知る良い機会になりますよ。
まとめ
不登校になりやすい家庭の特徴はありますが、原因は一つではなく、さまざまな要因が関係しています。
特徴に当てはまったから不登校になるという単純なものではなく、どの子どもも不登校になる可能性はあります。
不登校が良い悪いという訳ではなく、もし不登校になった時にどのように対応するかが大切です。
Yahoo!知恵袋での事例にあったように、当事者は「行かなければ」と内心では思っているけど、実際に行動できないという葛藤を抱えています。
まずは親御さんが子どもの葛藤を受け止めることがスタートになります。
不登校という事態に家族が団結し、乗り越えようとする姿こそが、登校することよりも大切ではないかと考えます。
結果的に登校できなかった。
でも家族で、「~もした」し、「~もやってみた」という経験こそが、子どもの自己肯定感を底上げします。
結果ではなく過程が重要です。
できる範囲のことをコツコツをしていれば、自然と結果はついてきます。
スクールカウンセラーに相談するのもいいでしょう。
病院を受診するのも一つ。
家族で自然に触れてみるのもいいでしょう。
フリースクールの見学に行くのもよし。
オンライン学習ツールで勉強するのもありです。
現在では、オンライン学習ツールでの家庭学習が「出席扱い」されたり、内申書の評価対象になることもあります。
ある時間を逆にうまく活用して、さまざまな体験をしてみてくださいね。
「体験格差」といわれるように、勉強だけでなく体験も発達に大きな影響があるんです!
\ 「すらら」公式サイト /
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