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【元教員が教える3つの対処法】学校に行きたくない理由がわからない中学生

もしあなたの子どもや生徒、友人が下記のような悩みを抱えていた場合、どのように考え対処しますか。

具体例を挙げるので、一緒に考えていきましょう。

具体例は架空の設定で登場人物は仮名です。

ポイントは自分でも学校に行きたくない理由がわからないという点です

たとえ明確な理由があったとしても問題の解決は難しいのに、理由さえわかりません。

明確な理由がなければ、「甘え」であり、学校を休んではいけないのでしょうか。

難しい話をすると、明確な理由は意識の中のことであり、本当の理由は自分でも気づいていない無意識の中にあるのです。

タッド先生

問題解決のポイントがYahoo!知恵袋の解答にありました。

あなたが認めたくないものは何ですか?
どんなに辛くてもそれを認めれば、道は開けます。

自分の無意識に気づくことができれば、理由がわからない問題を解決できるかもしれません。

解決には至らなくても、ずいぶん気持ちは楽になります。

では、具体例をもとに解説し、対処法を考えていきましょう。

目次

学校に行きたくない理由がわからない中学生【具体例】

佐藤あおいは中学2年生。

趣味は絵を描くこと、読書、アニメ鑑賞。美術部に所属している。

最近、登校する30分前くらいから泣きたくなって泣いてしまう。

勉強がわからない訳でもないし、友人がいない訳でもない。

部活は好きだし、友人と趣味について話すことは楽しい。

ところが、いざ登校するとなると体が動かない。

両親に泣きながら「学校に行きたくない」と話すことができた。

でもお父さんは「理由がないならどうしようもない」と言われた。

お母さんに相談してみると、「理由もなく行きたくないんならそれはただ甘えてるだけ」と言われ、あおい自身もそう思った。

お父さんもお母さんも私を心配しているのがわかって、とても申し訳ない気持ちだ。

ただ学校に行きたくないけど、自分でも理由がわからない。

明日は絶対に行くと言ったけど、とても心配だ。

自分でも理由がわからない辛さ

タッド先生

どう感じられたでしょうか。

  • 別に勉強もできて友人もいるから問題ないやん。
  • 自分も過去に理由もわからず行きたくない時があった。
  • 親の立場としても理由がないなら休ませない。

さまざまな意見はあると思いますが、自分自身でも理由はわからないけど行きたくないという経験をされた方は意外と多いのではないでしょうか。

9月は児童生徒が命を絶つのが最も多い月です。

国の統計では2022年に自殺した小中高校生は過去最多の514人でした。

昔は大体、9月始めに始業式が行われていました。

公立学校にエアコンの設置が進んだせいで、夏休みの始業式が1週間ほど繰り上げられたのです。

私も中学生の時、夏休み明けに同級生と顔を合わすと、ドキドキした不思議な感じを思い出します。

あおいさんと同様、明確な理由はないけれど、何となく学校に行きたくないと感じる中学生は想像以上に多いです。

できすぎこ

なんだか長期休み明けは憂鬱だわ。

やるきなしお

俺もなんか嫌なんだよな。

まだ明確な理由があれば、親や学校が具体的に対処できますが、理由がないのが一番辛いのかもしれません

しかし、実際に泣きたくなってしまう、腹痛がするなどの身体症状があるということは理由はあるのです

過敏性腸症候群(ガス型)が辛くて学校に行きたくない

これもはっきりとした身体症状です。

タッド先生

実は私が経験者なんです。

これ経験者でないとわからない辛さなんです。

家では大丈夫なのですが、授業中にお腹が痛くなります。

トイレに行くのですが、あまりに回数が多いので友人にからかわれたりしました。

だから余計に我慢して悪化するという悪循環になります。

思春期ならではの悩みともいえます。

ヨーグルトを食べたり、整腸剤を飲んで腸内環境を整えようと努力しましたが、やはり見えないストレスが大きかったと思います。

考えられる理由

学業へのプレッシャーと不安

あおいさんは勉強に問題はなさそうです。

授業についていけない、テストで点数が取れないのではなく、むしろ「良い成績をキープしないと」というプレッシャーです。

ではなぜ良い成績を維持しなければいけないのでしょう。

  • 自分が行きたい志望校があるから。
  • 成績が落ちると親が怒るから。
  • 「成績が落ちると親が怒る」と自分が思うから。
タッド先生

これ2番と3番がまったく違うことに気づきましたか?

ほとんどが3番なのです。

過去の経験から、成績が悪いと怒られると考えています。

成績が落ちた場合、いい顔をする親は少ないでしょう。

ただ苦手な分野だったり、テストが難しければ平均点も下がります。

実際に前学期より成績が落ちた通知表を見せても、思っていたほど怒られない場合もあります。

むしろ、「よく隠さずに見せたわね」と褒められるかもしれません。

親が事実を受け入れ、子どもと今後の対処法を考えられると最高です

心配ママ

悪い成績を見せられるとつい怒っちゃうわ。

結果、子どもはあるがままの自分を受け入れてもらえたと感じます。

すると親子のコミュニケーションが増えます。

さらに親が事実を受け入れ、一緒に問題を解決しようとする姿勢を子どもは見て学習します。

転ばない努力」より、「転んだ時にどのように立ち上がるのか」を学習することが大切なのです

友人関係の変化

あおいさんは友人がいて、趣味のことを楽しく話せています。

一見、問題がないように思えますが、思春期の対人関係は難しいです。

それこそ理由もなくクラスで順番にいじめられることがあります。

人は孤独と追放を恐れて不幸にしがみつく」といわれます。

ひとりぼっちになるくらいなら、多少嫌なことをされても一緒にいようと考えるのです。

そこで「居場所」が大切になります。

居場所は家庭に限らなくてかまいません。

部活や習い事などクラス以外で話せる友人がいれば大丈夫。

最終手段として、家庭が何でも話せる居場所であれば鬼に金棒です。

元教員としての考察

実際に見た理由がわからない不登校生

現役時代にたくさんの不登校生を見てきました。

なかでも意外だったのが、あおいさんの例に見られる明確な理由がわからない場合。

その子も女の子でした。

中学1年生から見ていましたが、勉強がよくできて礼儀正しい。

クラスをまとめるタイプで学級委員もしていました。

ところが2年生の中頃あたりから欠席が目立ち、不登校になりました。

3年生になるタイミングで私が異動になったので、その後どうになったのかはわかりません。

ただ「なぜあの子が」という強い疑問は今でも覚えています。

親があるがままの事実を受け入れよう

あおいさんの例に戻りますが、理由はなんであれ、泣きたくなるというような身体症状があれば要注意です

泣きながらでも両親に「学校に行きたくない」と言えたことは立派です。

それに対する両親の反応が少し残念です。

母は「理由がないのはただの甘え」だと返答したのです。

不安ママ

私もそう言ってしまいそうだわ。

タッド先生

あおいさんが「学校に行きたくない」と両親に伝えるのにどれだけの勇気が必要だったか想像できますか。

成績を維持するプレッシャーは、「成績が落ちると親が怒る」と自分が思うからと書きました。

学校に行きたくない」と両親に伝えたら、どう思うだろう。

言おうか言わまいか、ものすごく悩んだことでしょう。

言った結果、母に甘えだと言われて、あおいさんは申し訳ない気持ちになりました。

しんどい」と伝えたのに、「いや大丈夫だ」と言われたような感じです。

これではあるがままの姿でいてはいけない弱音は吐いてはいけないと子どもは学習します

そして我慢して我慢して病気が悪化し、命を絶つことにもつながりかねません。

タッド先生

子育てに正解はありませんが、不正解はあるような気がします。

ここでの両親の対応は、「あらそう、それだけ苦しかったのね、話してくれてありがとう」とあおいさんの苦悩をあるがまま受け入れることが必要でした。

タッド先生

まず親は子どものあるがままをそのまま受け入れてあげてください。

子どもが「しんどい」と言っているのに、親が「いや大丈夫」と返すのは、キャッチボールで捕球せずに後ろにそらすようなものです。

とりあえず嘘や甘えかもしれないと思っても、ボールのように子どもの気持ちを一旦受け止めてあげて欲しいです。

「学校に行きたくない」と親に言えない

あおいさんの場合は、両親に「学校に行きたくない」と親に伝えることができました。

しかし、実際は本当の気持ちを親に伝えることができない子どもは多いです

残念ながら親子の関係が不十分で、「もし~なことを言ったら親は困るのではないか」と子どもが先読みして言えないこともあります。

親子で何でも相談できる関係が理想ですが、難しいようであれば学校で話しやすい先生やスクールカウンセラー、友人、習い事の先生などに相談し、結果的に親に伝わるようにしてください。

認めたくないものを認める

Yahoo!知恵袋のベストアンサーにこのような言葉がありました。

これが今回の問題解決のポイントになります。

誰かがこんなこと言ってました。

あなたが認めたくないものは何ですか?
どんなに辛くてもそれを認めれば、道は開けます。

これは社会心理学者加藤諦三氏の言葉です。

認めたくないものは考えてもすぐに出てきません。

なぜなら無意識の中にあるからです。

さらに認めたくないと思っているので、気づきにくいのです。

さらに認めたくないことは、子どもではなく親にある場合が多いです。

あおいさんは勇気を振り絞って、「学校に行きたくない」ことを両親に伝えました。

タッド先生

両親はなぜ「わかった」と素直に学校を休ませてくれなかったのでしょうか。

本当にあおいさんのことを思うのであれば、不登校になることを心配するのではなく、子どもの意見を尊重すればいいのです。

親が本当に認めたくないことは、このようなことではないでしょうか。

  • 学校を休むと勉強に遅れてしまう。
  • 欠席が多いと内申書に影響するかもしれない。
  • 不登校になってしまったらどうしよう。
  • 不登校になると世間体が悪い。

耳が痛かったでしょうか。

簡単にいうけど、当事者は想像以上に大変なんだと憤りを感じられたかもしれません。

あなたが認めたくないものは何ですか?
どんなに辛くてもそれを認めれば、道は開けます。

これは子育てに限らず真理です。

実は認めたくない例で挙げたのは、過去の私の家庭でした。

私の養育者は上記のことをずっと認めようとしませんでした。

しかし、認めたくないことを認めると問題は半分解決しているのです

はい、「ただ認めるだけ」です。

認める」というか、「自分の中の無意識に気づく」といった方がいいかもしれません。

子どもに「理由がないのは甘え」だと言ってしまったけど、本当は親のなかで「このまま不登校になってしまったらどうしよう」という不安があった事実に気づくのです。

実際、学校を数日間休んだとしても癖にはなりません。

勉強が遅れることもありません。

不登校になる可能性もずっと低いです。

ただ親が認めたくないものを頑として認めず、子どもに無理をさせると成績以上に大きなものを失います

これも私の実際の経験談です。

最近では、いわゆる「不良」より「よい子」が問題を起こすことが話題になっています。

まさに明確な理由がわからない例です。

マスコミはこぞって「なぜあんなよい子が」と記事にしますが、子どもは自分を偽り「よい子」を演じていたのです。

今回の記事の参考図書としてYahoo!知恵袋のベストアンサーでも取り上げられた加藤諦三氏の本を置いておきます。

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すぐにできる3つの対処法

明確な理由がわからない場合、無意識の中にあることがあります。

特に身体症状が出ている場合、無意識身体症状として表れているのでしょう。

言うのは簡単ですが、実際に無意識に気づくことは大変難しいです。

無意識とは、認めたくないことともいえます。

今日からできる無意識に気づき、学校に行きたくない本当の理由を見つける対処法を具体的に3つ紹介します。

気持ちを紙に書き出す

頭の中で考えられることは限られています。

誰にも見せないつもりで、現在考えていることを紙に書き出してみましょう。

すると改めて自分の本当の気持ちや考えを知ることができます。

ChatGPTに相談してみる

いわゆるAIです。

ChatGPTの使い方に関しては調べてみてください、無料で利用できます。

相手は人ではないので、さきほど書き出した悩みを相談してみましょう。

具体的にどうすればいい?」など質問を掘り下げていけば、的確な回答が返ってきます。

スクールカウンセラーを利用する

これは私がいつもおすすめしていることです。

ほとんどの公立学校に臨床心理士などの資格を持ったカウンセラーが配置されています。

それも無料で相談できます。

実際、資格を持った心理士にカウンセリングをお願いすると高額になります。

心理士とのカウンセリングの中で、自分の認めたくないことに気づけるかもしれません。

スクールカウンセラーに関しては下記の記事を参考にしてください。

「学校休んだほうがいいよチェックリスト」ですぐに判断

LINEで20項目のチェックリストに回答すると精神科医が学校を休ませるべきかどうかを教えてくれます。

無意識に気づくには時間がかかるので、すぐに知りたい場合はやってみてください。

まとめ

学校に行きたくない理由がわからない」のは、理由が無意識の中にあるからです

それも自分が認めたくないことなのです。

子どもであれば、「成績が落ちたら友人に自慢することがなくなってしまう

親であれば、「1日学校を休むと癖になってしまうかも

だから、子どもは成績が落ちるのが心配だ、学校を休むと勉強が遅れてしまう、しんどくても休めない。

親は、1日休ませると癖になるかも、何かある度に「行きたくない」と言われたらどうしよう、不登校になってしまったら進学できない、無理をしてでも学校に行ってもらおう。

となってしまうのです。

それが結果的に「学校に行きたくない理由がわからない」であり、「それでも学校に行かなければいけない」という葛藤につながるのです。

まずは親子で悩みにぶち当たった時は、認めたくないことを探してください

認めたくないことは無意識の中にあるので簡単にはわかりません。

それに認めたくないことなので、何となく気づいても「そうではない」と思いがちです。

極端なことをいうと、例えば不登校になった方が具体的な解決策はたくさんあるので楽なのです。

私が言いたいのは表面上に見える問題の裏に本当の問題が隠されているのです

その裏にある本当の問題に気づかなければ問題は解決しません。

学校で先生に暴言を吐いてくる生徒がいました。

汚い言葉を使いません」「先生には敬語で話しましょう」では解決しません。

暴言を吐く生徒は不安で寂しいのです。

つまり、生徒が求めているのは愛情であり、先生にもっとかまって欲しいのです。

無意識の中にある本当の問題に気づかなければ悩みは解決しません。

繰り返しますが無意識に気づくことは本当に難しいですが、認めたくないことを認められれば問題は解決します。

紙に書き出してもいいですし、スクールカウンセラーを利用するのもありです。

認めたくないことに気づき、認められた時、すでに問題の半分は解決しています

そして子どものあるがままの姿を親が受け入れられれば、親子関係は見違えるように良くなります。

成績を上げたい親子が私のブログに来られますが、親子関係が良いことは成績を向上するための大きな土台になります。

まずは子どもの投げたボール(言葉)を一旦受け止めてあげてくださいね。

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この記事を書いた人

名前:タッド先生

関西在住のアラフォー男。

同志社大学卒業。

元公立中学校教師。

既婚、1児の父。

うつ病で退職を余儀なくされ、より良い生き方を模索しています。

約9年間の公立中学校勤務の経験から、子育ての悩み、成績の上げ方の工夫など教育全般について発信しています。

ご意見やご要望などあれば、コメントかメールでお気軽にお知らせください。

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